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お菓子の地域と時代考証アンケート結果

㈱伊達観光物産公社社員と展示会場においてアンケート調査を行いました!

「出身地や年代によって、幼少期から現在に至るまでに食べてきたお菓子が異なっているのではない
か」「お菓子も時代や流行、需要などにより、変遷してきたのではないか」という仮説を検証するため、
㈱伊達観光物産公社社員と展示会場において来館者を対象にアンケート用紙(Web フォームへのQR コード付き)を設置し調査を行いました。

( ㈱伊達観光物産公社社員については、2023 年 1/6 ㈮~ 1/31 ㈫の期間、展示会場においては、2023 年 2/23 ㈭㈷~ 3/31 ㈮の期間、アンケート用紙とWeb フォームによって調査しました。総回答数は、42 件(10 代 10 件、20 代 2 件、30 代 8 件、40 代 10 件、50 代 8 件、60 代 4 件)。出身地は、幼少期から学生時代の間に長く過ごした場所をご記入していただきました。回答は、原文のまま記載していま す。)


質問 1.

ハレ(儀礼や祭、年中行事などの「非日常」)の日のお菓子についての思い、思い出をできるだけ詳しく、お教えください。

<回答結果>

(考察1)

全体の回答をみると、非日常の思い出のお菓子に、最も挙げられたのが「クリスマスのお菓子(ケーキ•プディング)」(全部で 18 件)でした。次は、お彼岸などの「おはぎ」で 7 件。その他は、節句で食べられる餅類(桜餅、♛餅、べこ餅等)が挙げられ、総数にするとクリスマスケーキを上回る勢いです。ハレの日に餅を食べる日本文化が全年代で、このアンケートでもみられました。その他には、神社等のお祭りで食べたチョコバナナ•りんごあめ、ケーキについては誕生日や記念日に食べるといった、シチュエーションの違いも挙げられました。

地域別でみると、道内出身者の回答には類似点が多いですが、「おおみそかの夜に輸入食品点(原文ママ、店か)で外国のお菓子を買って食べるのが我が家の通例となっていた。ハリボーグミとか、m&mチョコとか、毒々しい色のキャンディーとかです。ミミズグミなどもあった。(20 代•広島県広島市)」

「お盆のあたりには祖母がずんだもちを作っていた。(地域柄)ずんだもち、くるみもちは正月にも食べる(30 代•宮城県)」、「家族や親戚と集まる時は、横浜中華街の中華料理店がお決まりでした。帰りにたくさんの種類の月餅の中から好きなのを選ぶのが楽しかったです。(40 代•神奈川県)」、「子供の頃はお正月に羊羹、ケーキが必ず並んだ。かきもちも揚げて食べていた。(40 代•広島県)」等道外出身者の回答には、地域性や個人的な風習が垣間見られるものもありました。

( ㈱伊達観光物産公社社員については、2023 年 1/6 ㈮~ 1/31 ㈫の期間、展示会場においては、2023 年 2/23 ㈭㈷~ 3/31 ㈮の期間、アンケート用紙とWeb フォームによって調査しました。総回答数は、42 件(10 代 10 件、20 代 2 件、30 代 8 件、40 代 10 件、50 代 8 件、60 代 4 件)。出身地は、幼少期から学生時代の間に長く過ごした場所をご記入していただきました。回答は、原文のまま記載していま す。)


質問 2.

ケ(普段の生活、日常)の日のお菓子についての思い、思い出をできるだけ詳しくお教えください。

<回答結果>

(考察2)

全体の回答をみると、日常の思い出のお菓子に、最も挙げられたのが「蒸しパン(5 件)」、次に「ホットケーキ(4 件)」。「菓子パン類(クリームパンやメロンパン、チョコパンなど)」、「かぼちゃ団子」も多く挙げられています。その他には、クッキー•チョコレート•アイス•ゼリー•スナック菓子類がみられます。 年代別にみると、10 代、30 代と 40 代は、家庭での手作りお菓子を挙げる人は若干であり、菓子パンやスーパー•コンビニなどで買い求めるお菓子の名前が多く挙がっています。

一方、50 代と 60 代の回答には、「家族などが作ってくれた(おまんじゅう•かぼちゃ団子など)」、あるいは、「お店の人がその場でつくる(ドン菓子)」、「行商のおばさんの売る(水あめ)」、「自分でつくった(綿あめ•牛乳寒天•フルーチェ)」などの記述が多くみられました。しかし、50 代の道内都市部(札幌市• 千歳市)出身者の回答には、市販のお菓子やお店で買い求める菓子パンもみられ、地方と都市部といった違いも少しみられました。

また、「子供のころは駄菓子屋やおもちゃ屋もまだ多く残っていて、10 円のガムや粉ジュースなどを食べていた。チョコレートもあったが、最初のうちは、キャラメ ルの方が値段が安いのでよく食べていたと思う。当時 30 円くらいだったビバオールといういちご味のアイスやびんジュースのパレードなども印象に残っている(30 代•宮城県)」、「小学生 駄菓子屋にて「練りあめ」を食べていた。小さいわりばしがついていてこねるのである。(こねてどうなるのかはわからないがそうやって食べろと 袋に書いてあったので…)あとものすごくネチネチした棒つきの、てるてるぼうずみたいなアメが好きだったが銀歯がとれてしまい、そのままのみこんでしまっ た。あとおばあちゃんがボタンアメをくれた。(20 代•広島県広島市)」「伊達駅前にあったイチマルの駄菓子屋さん。優しいおじさんがいた記憶(40 代•伊達市)」といった、駄菓子屋についての言及があり、身近なものとして捉えられていたことがわかります。


質問 3.

あなたの好きなお菓子教えてください。

<回答結果>

(考察3)

全体の回答をみると、回答者各々の思い入れのあるお菓子が挙げられています。「チョコレート(製品)」を挙げる回答者が多く(15 件)、「アイス類」(5 件)、「ケーキ類(5 件」)「どら焼き」(4 件)、「ポテトチップス」(4 件)、と続きます。
和菓子より洋菓子を挙げる人が多かったものの、その中でも前述のとおり「どら焼き」は、4 件と健闘。他に、煎餅やおはぎ、ゆべし、桜餅、きんつばなどが挙げられました。
また、「福島のままどおる、宮城だとこだまのどら焼き、ご当地菓子が好き 北海道のスノーサンドおいしいです。(30 代•宮城県)」「石垣島にある「ちょっき屋」のパイナップルケーキ(40 代•神奈川県)」
「北海道の土産菓子では、石屋製菓や六花亭などのお菓子を買っていく。逆に宮城だったら萩の月が好み。(50 代•宮城県)」等ご当地菓子を挙げる人や「わに口最中大好き!!(40 代•室蘭市)」「伊達では久保菓子のらびんふる(40 代•広島県)」「つるやさんのとら焼きと北の童もち(60 代•伊達市)」等伊達市内のお菓子が好きな人もみられました。

さらに、この回答の記述には、「今季は狂ったように食べている」、「ハマりかけた頃に売られなくなっててすっっっっごく残念」、「衝動買いする悪い癖 が未だに治らない」「好きすぎて、よく送ってもらっています」、「家に常備」「大きいカップのままスプーンで食べるのはやめられない…」、「大人になっ たら 1 人で全部食べようと小さい頃から夢みて」、「お土産候補のリストにいつも入れている」、「何年経っても大好き」といった、お菓子への愛の熱量が、多く表現されていたことも興味深いです。


<考察まとめ>

総回答数が 42 件と、あまり多くなかったたため、主だった傾向などはあまりみられませんでした。しかしながら、結果をみると、年代間にわずかながら、食べてきたお菓子の違いがあることがわかりました(考察2)。地域差に関しても、道内出身者(特に伊達市)の回答が多く、大きな差はみられませんでしたが、道内でも地方と都市部の違いや道外出身者の興味深い回答を得ることができました(考察1、2)。また、好きなお菓子への熱量を感じさせる記述が多くあり(考察3)、お菓子へのこだわりがみられました。
「出身地や年代によって、幼少期から現在に至るまでに食べてきたお菓子が異なっているのではないか」「お菓子も時代や流行、需要などにより、変遷してきたのではないか」という仮説を立証するまでには至りませんでしたが、それを示唆するような結果は、得られたのではないかと考えています。
その仮説の立証とは別に、個人的なお菓子の思い出やそれへの思いなど、それぞれの「お菓子の物語」を知ることができ、一つとして同じ回答はなく、興味深く感じました。